DGM_______VF’s diary

デザイン科の高校生による丸々。

イラストを仕事にしたいと思っている学生さんに読んで欲しい

初めまして、デザイン科に通う高三です。 

このブログに書かれている事は全て僕個人の意見ですので全部がそうとも限りませんので参考までに。

初のブログでこんな感じで合っているか分かりませんがよろしくお願いします。

早速ですが、

絵を描くのが好きだからイラスト関係の仕事に就きたい

と考えている学生さんは多いと思います。

でも少しだけ踏みとどまって頂きたいのです。

イラスト、デザイン関係の高校、専門学校、大学を決めて後戻り出来なくなる前に1度でも読んでいただければ幸いです。

 

僕も絵を描くのが昔から本当に大好きで小学校低学年の時からイラスト関係の仕事に就きたいと思っていました。

絶対にイラストレーターになると決意し、

高校はデザイン科へ入学。

高校でデザインについて学んでいくうちに気づいた事がありました。

 

「デザイン面白くなくね」

 

これは僕個人の意見ですが、デザインは思っていた以上に面白くありません。

 

絵を描くのが好き、だからイラストレーターなんて絵が好きな私には夢のような仕事じゃないか

と思いますが実際そうでもありません。

皆さんは絵を描く時、恐らく自分の好きな絵柄で好きな雰囲気で好きな時に好きなだけ好きな物を描かれると思います、その時間が楽しいからイラストを仕事にしたいと思ったのでしょう。

描きたくないものを自分から描くことは少ないですよね。

 

僕が初めてイラストでお金を稼いだ時のお話をさせていただきます。

他者からお金を貰っているわけです、つまり責任が伴います。

そしてクライアント、依頼人の指示は絶対です。

依頼人がこうしろと言ったら僕らはハイかイエスしか言っちゃいけません。

僕は得意なイラストがホラー、バッドエンドなイラストでした。

無名の絵師だった僕の所に依頼が来たのです。

なんの依頼が来たか、

明るいイラストを求めてたのです。

 

お金を貰っている以上、嫌でも明るいイラストを描かなければなりません。

 

「ポップな感じでお願いします」

 

「こんな少ない説明でイメージ湧くわけないじゃん」

本当に一言、抽象的なワードしかくれません。

 

この一言から相手の頭の中にある理想を我々絵師が想像して描かなければならない。

想像力が必須です。

自分の世界は一旦忘れてください。

 

依頼人から貰った一言から想像して描いて依頼人に見せる→依頼人のイメージと違ったら手直しする

それを納期までに終わらせるのです。

 

その間は好きな絵を描けないし、

納期が、納期が、まだ終わってない、早く納品しないと、早く納品しないと、依頼人が困る、苛立つ、迷惑になる。

 

と、依頼の事で頭いっぱいです。

 

少し時間がかかってしまうとその日は寝れないなんて事も多々ありました。

というか、不得意な系統のイラストだったのでいつもの倍の時間がかかりました。

 

「なんでこんな暗い絵を描いている僕にわざわざ依頼してくるの?サンプル見なかったの?」

とか不満を抱くこともありましたが

 

理由は簡単です。

素人だからです。

絵が描けない、でも自分だけのイラストが欲しい、だから依頼してきたんです。

 

クライアントが見ているのは絵師の画力。

 

その絵師さん一人一人が持つ世界観はあまり見ていません。

 

サンプルとして過去に描いた絵を載せていたとしても来るものは来ます。

 

なので無茶ぶりの連続です。

 

納品まで3日しかない、という時でも「ここを治してほしい」とか「色を変えて欲しい」とか平気で言ってきます。

これくらい簡単に出来ると思ってるから言ってきます。

絵師側は時間がかかって苦労していても依頼人には分からないし、報酬は努力に比例しません。

 

貴方がどれだけ頑張っていたとしても、

どれだけ深い意味を込めていたとしても、

何も知らない人が見て、90%伝えたい意味が伝わらなければデザインとしてアウト。

人に言われたものしか作ることが出来ない。

多少の提案は出来るでしょうが本当に少し、

1割にも満たないくらい少し。

 

そして配色にも気を配ります。

自分の好きな色で塗りたい気持ちをグッとこらえ、色が持つ意味をよく理解して配色していきます。

 

例えば、

信号機の止まれと進めは赤と青ですが、

なぜ赤と青なのでしょうか?

白と黄色じゃダメなのでしょうか?目玉焼きみたいで可愛くてこれでも良いと思いませんか。

絶対ダメです。

 

赤(暖色)は長波長で膨張色です。

長波長という事はより遠くまで色が届きます。

夕焼けが赤いのは長波長の赤い色だけが目に届いているから赤く見えるのです。

(短波長の青系統の色は波長が目に届かないので見えません。)

そして膨張色は文字の通り大きく見えます。

赤信号は遠くから確認出来なければ危険ですよね。

大きく遠くから確認出来れば余裕を持って止まれます。

だから止まれの信号には必ず赤が使われている。

青(寒色)は短波長

赤に比べて届く距離が短いですが、青信号の時はもう信号機の近くにいますよね、遠くまで届かせる必要が無いのです。

世の中のデザインされた物は色や形状等全ての要素にちゃんとした意味があります。

 

デザインとアートを簡単に比較すると

道路標識はそこに説明が無くても一瞬見るだけで大体意味がわかる

意味は1つしかない

デザインはこうでなければなりません。

 

ピカソさんのひまわりの絵を見てください。

ピカソさんが当時何を考えて、何を伝えたかったか分かりますか?

答えは人によって様々、本当に伝えたかった事なんてピカソさん以外分かりません。

これがアート。

1枚の絵から色々な事が想像出来る、感じ方ができる

 

皆様が普段描かれてる絵は"アート"なのです。

自分の好きなようにできるから楽しいんです。

 

なのでイラストで楽しく稼ぎたいのならアーティストになって、自分の絵を好きになってくれた方に絵を売ってあげてください。

 

自分のためじゃない、自分の趣味じゃないイラストを期限までに描き続けるのはかなり辛いし鬱になる。

 

学校に「不適切」と言われて個性を今の今まで殺され続けた僕はイラスト課題の度に病んで体を壊したり、ペンタブのペンを持って泣きながら自分好みじゃない絵を描いていました。

 

先生に

「お前はデザイン向いてないよ」

と言われた程デザインに向いていませんでした。

デザイン科に居ながらデザインが全く出来なかった

僕はただの絵描き

でした。

自分のためだけに絵を描くことしか出来ない

人の為に活躍する絵師にはなれなかった。

ずっと憧れてたイラストレーターの夢は呆気なく消えました。

 

デザインは人に伝える物(道路標識)

アートは人に感じてもらう物(ピカソのひまわり)

 

この大きな違いをわかって欲しいです。

 

 

 

ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

少しでもお役に立てたら幸いです。

皆様が僕みたいな事にならないように後悔のない道へ進んで行ける事を心から願っております。

ありがとうございました。